不動産のクレーム対応の基本|初動と関係業者との連携の進め方
公開日 / ツナガる編集部

不動産のクレーム対応は、まず話を最後まで聞いて事実を記録し、関係業者と役割を決めてから回答の期限を伝えるのが基本です。引き渡し後の不具合、説明と違うという指摘、近隣とのトラブル。不動産営業が受けるクレームは、自社だけでは解決できないものが少なくありません。この記事では、お客様からのクレームに絞り、初動の聞き方、事実確認、関係業者との連携、記録の残し方を順に整理します。
不動産のクレーム対応の基本は、聞く・記録する・期限を決める
不動産のクレーム対応で最初に求められるのは、解決策ではありません。お客様が何に困り、何を求めているのかを正確につかむことです。急いで答えを出そうとすると、事実と違う約束をしてしまい、後から関係業者との間で行き違いが生まれます。
- 聞く:途中で遮らず、お客様の話を最後まで聞く
- 記録する:日時・場所・状況・お客様の要望を書き留める
- 確認する:現地や書類で事実を確かめる
- 役割を決める:関係業者と、誰が何をいつまでにするかを決める
- 期限を伝える:回答の時期をお客様に約束する
この順番を崩さないことが、クレームを大きくしない一番の方法です。順番を守れば慌てずに済みます。
初動の聞き方:その場で結論を出さない
クレームの電話や来店では、最初の数分で印象が決まります。言い訳や原因の推測から入ると、お客様は話を聞いてもらえていないと感じます。まず不便をかけていることにお詫びを伝え、そのうえで状況を順番に聞いていきます。
- いつから:不具合や問題に気づいた時期
- どこで:部屋の場所、設備の種類、近隣のどの位置か
- どのように:具体的な症状や出来事
- 何を求めているか:修理、説明、費用の扱い、謝罪など
責任の所在や費用の負担は、その場で答えないことが原則です。「確認して、○日までにご連絡します」と期限を添えて伝えれば、答えを保留しても不誠実には映りません。お詫びは、迷惑をかけていることへのお詫びにとどめ、事実を確かめる前に過失を認める言い方は避けます。
事実確認と記録の残し方
話を聞いたら、できるだけ早く事実を確かめます。設備の不具合なら現地で状態を見て、写真に残します。説明と違うという指摘なら、重要事項説明書や契約書、やり取りの記録を見返します。記憶に頼らず、書類と現物で確かめることが基本です。
記録は、社内の決められた場所に一件ずつ残します。受付日時、聞いた内容、確認した事実、連絡した相手、約束した期限を時系列で書き、担当者が休んでも他の人が状況を追えるようにします。お客様の情報は必要な範囲にとどめ、自社の個人情報の取り扱いに沿って保管します。
記録は社内の説明にも使えます。責任者へ報告するとき、関係業者へ状況を伝えるとき、時系列の記録があれば同じ話を何度も聞き直さずに済みます。写真や書類の控えも、記録と同じ場所にまとめておきます。
関係業者との連携と役割分担
不動産のクレームには、施工会社、管理会社、売主側の仲介会社、設備の点検業者など、複数の業者が関わることがあります。連携のつまずきは、誰が窓口なのかが決まらないまま、お客様に複数の業者から連絡が入る状態です。
関係業者と最初に決めること
- 窓口:お客様への連絡を誰が一本で担うか
- 調査:現地確認と原因の調査を誰が行うか
- 期限:調査結果と対応方針をいつまでに共有するか
- 共有範囲:お客様の情報をどこまで渡すか
お客様の連絡先や状況を関係業者に渡すときは、本人の了承を得てから、対応に必要な範囲にとどめます。窓口を一本にすると、お客様は誰に聞けばよいか迷わずに済みます。
管理会社との日頃の連絡の型は、トラブル時の連携にも効きます。詳しくは「賃貸仲介と管理会社の連携|良い関係を作る連絡の型・トラブル対応・長く続く付き合い方」をご覧ください。
専門家に相談すべき場面と、再発を防ぐ振り返り
契約不適合や損害の賠償、費用負担の争いなど、法的な判断が必要になる場面では、営業担当者が自己判断で結論を伝えないようにします。社内の責任者に上げ、契約書と記録をそろえたうえで、弁護士などの専門家に相談してください。
対応が終わったら、記録をもとに振り返ります。説明の仕方、引き渡し前の確認、関係業者との連絡の早さなど、どこで防げたかを一つ見つけて社内で共有します。同じクレームを繰り返さないための材料になります。
まとめ
クレーム対応で避けたいのは、その場で答えを出してしまうことです。話を最後まで聞き、事実を記録し、関係業者と窓口と期限を決めてから、回答の時期をお客様に伝えてください。法的な判断が絡む場面は専門家につなぎ、終わった後は防げた一点を社内で共有する。日頃から関係業者と連絡の取りやすい関係を作っておくと、いざという時に動きやすくなります。
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よくある質問
- Q. クレームの電話で、その場で謝ってしまっても大丈夫ですか?
- 迷惑をかけていることへのお詫びは、最初に伝えて問題ありません。ただし、事実を確かめる前に「こちらの過失です」と認める言い方は避けます。お詫びと責任の判断を分け、「確認して○日までにご連絡します」と期限を添えて伝えると、誠実さを保ちながら事実確認の時間を取れます。
- Q. 関係業者が対応してくれないときはどうすればよいですか?
- 窓口・調査・期限を文書やメールで改めて共有し、記録に残します。それでも進まない場合は、社内の責任者に上げ、契約関係を確認したうえで対応を検討します。お客様には、進んでいる部分と止まっている部分を正直に伝え、次の連絡日を約束します。
- Q. クレームの記録には何を書けばよいですか?
- 受付日時、お客様から聞いた内容、確認した事実、連絡した相手と内容、約束した期限を時系列で書きます。推測や感想は分けて書き、事実と区別します。社内の決められた場所に保管し、担当者が不在でも他の人が状況を追える形にしておきます。





