不動産会社のペーパーレスの進め方|社内書類から始める段階的な手順
公開日 / ツナガる編集部

不動産会社のペーパーレスは、社内だけで完結する書類から始め、取引先とのやり取りは相手と合わせて進めます。図面、物件資料、申込書の控え、日報と、不動産会社の事務所には紙が集まりやすいものです。ただ、一度に全部をなくそうとすると、取引先との行き違いや、保存に決まりがある書類の扱いで迷いが生じます。この記事では、取引先との合意が必要な電子契約とは分けて、社内の紙業務を減らす進め方を3つの段階で整理します。
不動産会社のペーパーレスは「自社で決められる範囲」から
ペーパーレスとは、紙で回していた書類や連絡を電子データに置き換え、印刷・保管・持ち運びの手間を減らす取り組みです。不動産会社の場合、自社だけで決められる書類と、取引先やお客様が関わる書類が混在している点に特徴があります。
進めやすいのは、社内で作って社内で使う書類です。相手の同意が要らないため、自社の判断ですぐに試せます。反対に、取引先と交わす書類は相手の都合があり、保存に決まりがある書類は法令の確認が必要です。順番を間違えないことが、途中で止まらないための一番の工夫です。
- 段階1:社内だけで完結する書類
- 段階2:図面や物件資料の保管
- 段階3:取引先とのやり取り
段階1:社内だけで完結する書類から減らす
最初に、事務所で毎日印刷している紙を一週間ほど書き出してみます。日報、会議資料、社内の回覧、休暇の申請など、社内で作って社内で読むだけの書類が意外に多いことに気づくはずです。
- 日報・報告:共有の表やメモに書き込む形へ切り替える
- 会議資料:画面で共有し、印刷は希望者だけにする
- 社内回覧:既読が分かる連絡手段に置き換える
- 申請:休暇や経費の申請を共通の入力欄にまとめる
この段階では、新しい仕組みを大きく入れる必要はありません。すでに使っている道具で置き換えられるものから始めると、社内の抵抗も小さく済みます。紙のほうが早いと感じる人がいれば、どこで手間が増えたのかを聞いて手順を直します。
段階2:図面と物件資料の保管を電子化する
次に取り組みたいのが、図面や物件資料の保管です。紙のファイルは探すのに時間がかかり、外出先から確認できません。電子データで保管すれば、物件確認の電話を受けたときにも手元ですぐに答えられます。
保管のルールで決めておきたいこと
- ファイル名:物件名や日付など、誰が付けても同じ形になる決まり
- 置き場所:物件ごと、取引種別ごとなど、迷わないフォルダの分け方
- 閲覧の範囲:社内の誰が見られるか、外部と共有するものはどれか
- 更新の扱い:古い版を残すか、最新だけにするか
過去の紙資料をすべて取り込もうとすると、それだけで手が止まります。まずは新しく受け取る資料から電子で保管し、過去分は使う頻度の高いものから少しずつ移すほうが現実的です。
段階3:取引先とのやり取りは相手と合わせて進める
物件資料の送付や申込書のやり取りなど、取引先が関わる書類は、相手の受け取り方に合わせる必要があります。自社が電子に切り替えても、相手が紙の送付を希望すれば、両方の手順が残ります。
よくやり取りする取引先から順に、電子での受け渡しでよいかを聞き、相手ごとの方式を社内の一覧に残しておきます。取引先との書面そのものを電子で締結する場合は、対象書類の確認や相手との合意が別途必要になるため、社内の紙を減らす取り組みとは分けて検討してください。
なお、取引に関わる書類の中には、保存の期間や方法に決まりがあるものもあります。電子で保存してよいか、紙の原本を残すべきかは、法令と自社規程を確認し、専門家に相談したうえで判断してください。
ペーパーレスが止まりやすい場面と対処
途中で止まる会社に多いのは、担当者一人に任せきりになることです。社内で旗を振る人と、現場の意見を集める人を分けると、決まりごとが現場に合わないまま広がるのを防げます。
もう一つは、紙と電子の両方で同じ書類を管理してしまうことです。切り替えた書類は紙での保管をやめると決め、移行した日付を記録しておきます。どちらが正しい版か分からない状態が、最も手間を増やします。
デジタル化と人のつながりの使い分けについては「不動産DXとは|デジタルと対面の使い分けと人のつながりの価値」も参考にしてください。
まとめ
不動産会社のペーパーレスは、社内だけで完結する書類から減らす、図面や資料の保管を電子化する、取引先とのやり取りは相手と合わせる、の3段階で進めてください。保存に決まりがある書類は法令と専門家で確認し、まずは一週間の印刷物を書き出すところから始めます。
他社がどう進めているかを聞ける場があると、自社の手順を見直すきっかけになります。ツナガるが東京都内で定期開催している不動産交流会の予定は不動産交流会・イベント一覧からご確認いただけます。
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よくある質問
- Q. 不動産会社のペーパーレスは何から始めればよいですか?
- 社内だけで作って社内で使う書類から始めるのがおすすめです。日報や会議資料、社内回覧は取引先の同意が要らず、すでにある道具で置き換えられるためです。まず一週間の印刷物を書き出し、毎日出ている紙から順に減らしていくと進めやすくなります。
- Q. 契約関係の書類も紙をやめて電子で保存できますか?
- 書類によって保存の期間や方法に決まりがある場合があるため、一律には言えません。電子で保存してよいか、紙の原本を残すべきかは、法令と自社規程を確認し、専門家に相談したうえで判断してください。自己判断で原本を処分するのは避けましょう。
- Q. 過去の紙資料はすべて電子化する必要がありますか?
- 一度にすべてを取り込む必要はありません。過去分の取り込みから始めると作業量が大きく、取り組み自体が止まりやすいためです。新しく受け取る資料から電子で保管し、過去分は使う頻度の高いものから少しずつ移すほうが現実的に続けられます。





