業者間流通の基本|物件確認・案内依頼・申込連絡のマナーとNG行動
公開日 / ツナガる編集部

不動産の仲介では、他社が預かる物件を自社のお客様に紹介したり、自社が預かる物件に他社からお客様を案内してもらったりする「業者間流通」が日常です。ところが、物件確認の電話のかけ方や案内依頼の順序、申込後の連絡といった作法は体系的に教わる機会が少なく、先輩の見よう見まねで覚える方が少なくありません。この記事では、物確・案内・申込・審査の各場面で押さえたいマナーと、相手の信頼を失うNG行動を整理します。
業者間流通のおさらい
売主・貸主から直接依頼を受けた元付け会社が、レインズや業者間流通サイトで物件情報を共有し、客付け会社がそこからお客様に合う物件を探して案内する。この流れが業者間流通の基本形です。
大切なのは、図面も情報も「相手の会社が預かっているもの」だという意識です。物件の向こうには売主・貸主がいて、元付け会社はその方々に対して責任を負っています。客付け側の一つひとつの動きが、元付け会社の信用に直結します。
- 物件確認(物確):募集中かどうか、条件に変更がないかを元付け会社に確認する
- 図面・資料の依頼:お客様に見せるための資料をもらう
- 案内依頼:内見の日時調整と鍵の手配
- 申込・審査:お客様の申込を元付け会社に伝え、審査に必要な書類をそろえる
物件確認(物確)の電話の作法
かける前に準備すること
- 掲載情報を読み込み、図面に書いてあることは聞かない
- 物件名・部屋番号・所在地をすぐ言えるようにしておく
- 聞きたいことを先にメモにしておく(募集状況、条件変更の有無、案内可能日など)
- 自社名・担当者名・折り返し先の電話番号を名乗る準備をする
電話の流れ
- 会社名と担当者名を名乗り、物確の電話であることを最初に伝える
- 物件名と部屋番号を伝え、「まだご紹介可能でしょうか」と募集状況を確認する
- 条件に変更がないか、案内の可否と方法(鍵の場所・立会いの要否)を聞く
- 追加で聞きたいことがあれば手短にまとめて聞く
- お礼を伝え、案内が決まったら改めて連絡すると告げて切る
元付け会社には日々多くの物確電話がかかってきます。名乗りが曖昧だったり、図面に書いてあることを一から聞いたりすると「慣れていない会社」と見られます。要点をまとめて短時間で終わる物確は、それ自体が信頼につながります。
相手が席を外していて折り返しをもらう場合は、いつまで社内にいるかを伝えておきましょう。自分が折り返す約束をしたときは、時間を守ることが何よりの信用です。
案内依頼から内見当日まで
- 案内希望の日時は複数候補を出し、元付け会社の都合に合わせる姿勢を見せる
- お客様の人数や希望条件を差し支えない範囲で伝えると、元付け側も準備しやすい
- 鍵の受け渡し方法と返却期限は、聞いたその場で復唱して間違いを防ぐ
- 遅れる場合や中止になった場合は、分かった時点ですぐ連絡する
内見後の報告は当日中が基本です。決まりそうなら申込の見込み時期を、決まらなかったならその理由を短く伝えます。「間取りは気に入ったが日当たりが希望と違った」といった情報は、元付け会社にとって募集条件を見直す材料になり、次に別のお客様を案内するときの下地にもなります。
物確や案内のやり取りは、一度でも顔を合わせた相手だと格段に進めやすくなります。ツナガるが東京都内で定期開催している不動産交流会には、元付け・客付けの両方の立場の方が参加しています。開催予定は不動産交流会・イベント一覧をご覧ください。
申込・審査の連絡で信頼が決まる
申込の意思が固まったら、書類がそろう前にまず「申込が入ります」と一報を入れましょう。元付け会社は他の客付け会社からの問い合わせにも対応しているため、この一報があるかどうかで案件の扱いが変わります。
- 申込書は記入漏れがないか客付け側で確認してから送る
- 審査中に追加書類を求められたら、お客様への依頼と回収を最優先で動く
- 審査結果や条件交渉の返事は、お客様に伝えたあと元付け会社にも必ず報告する
- キャンセルになった場合は、理由とともに分かった時点ですぐ伝える
申込後の連絡が途絶える客付け会社は、元付け会社から最も敬遠されます。良い知らせも悪い知らせも、同じ速さで伝えることを習慣にしましょう。なお、契約条件や報酬の取り決めについては、宅地建物取引業法などの法令と自社の規程に従い、必要に応じて専門家に確認してください。
相手の信頼を失うNG行動
- 物確をせずにお客様を現地へ連れて行き、あとから案内の可否を聞く
- 元付け会社の許可なく図面を自社の広告に転載したり、他社へ再流通させたりする
- 他社付けの物件を、自社が預かっているかのようにお客様へ説明する
- 本命物件を良く見せるための「当て馬」として案内を依頼する
- 見込みが薄いのに「ほぼ決まります」と伝えて、元付け会社に他の案内を止めさせる
- 元付け会社の担当者を飛ばして、売主・貸主に直接連絡する
- 審査に通らなかったあと、連絡もなく音信不通になる
不動産業界はエリアごとに顔ぶれが限られています。一度「あの会社は困る」という評判が立つと、物確の対応が後回しにされたり、良い物件の情報が回ってこなくなったりします。
良い印象を残す小さな習慣
- メールやFAXの件名に、物件名と用件(物確・案内依頼・申込)を必ず入れる
- 折り返しや資料送付の期限を自分から示し、その時間を守る
- 内見後と決済後に、短くてもお礼の連絡を入れる
- 自社が元付けのときは、客付け会社からの物確に同じ丁寧さで応える
どれも当たり前のことですが、忙しい時期ほど抜けやすい部分です。積み重なると「あの会社なら安心」という評価になり、案内の優先度や情報の回り方が変わってきます。
まとめ
業者間流通のマナーは、物確は準備して手短に、案内は相手の段取りに合わせて報告を欠かさず、申込・審査は良い知らせも悪い知らせも同じ速さで伝える、の三つに集約されます。NG行動を避け、小さな習慣を続けることが、元付け・客付けどちらの立場でも信頼を積み上げる近道です。
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よくある質問
- Q. 物件確認の電話はいつかけるのがよいですか?
- 営業開始直後や閉店間際、昼休みは避けるのが無難です。相手の会社の定休日や営業時間は事前に確認しておきましょう。急ぎでない物確はメールやFAXでまとめて送り、返答が必要なものだけ電話で確認する、といった使い分けも相手の負担を減らします。
- Q. 物確では募集状況のほかに何を聞いておくべきですか?
- 条件に変更がないか、案内の方法(鍵の場所・立会いの要否・事前予約の要否)、申込が入っている場合はその状況、案内可能な曜日や時間帯を聞いておくと、お客様への提案と案内依頼がスムーズになります。図面に書かれている内容は読み込んだうえで電話しましょう。
- Q. 内見後にお客様が決めなかった場合も、元付け会社に連絡すべきですか?
- 必ず連絡しましょう。決まらなかった理由を短く伝えるだけで、元付け会社は募集条件の見直しや次の案内の参考にできます。「結果を必ず報告してくれる会社」という印象は、次に物確や案内を依頼したときの対応の速さに返ってきます。





