元付けを増やす地域での動き方|売却・賃貸の依頼が集まる不動産会社の地域密着営業
公開日 / ツナガる編集部

元付けを増やすために要るのは、広告費より地域での信頼です。客付けだけで売上を作り続けるのは、物件情報の取り合いが厳しくなるほど難しくなります。売主・貸主から直接依頼を受ける元付けが増えると、案件の主導権を持てるうえ、他社からの客付けも見込めるため、経営が安定しやすくなります。とはいえ、元付けは広告を出せばすぐ増えるものではありません。この記事では、地域の中で「困ったときにまず相談される会社」になるために、同業者・管理会社・士業・既存顧客・情報発信の五つの面から、日々の動き方を整理します。
元付けはどこから生まれるか
売却や賃貸募集の依頼は、ある日突然「不動産会社を探そう」と思い立った方から来るとは限りません。相続の相談を受けた税理士、入居者の退去を知った管理会社、実家の処分に悩む知人がいる既存のお客様など、地域のどこかで先に「困りごと」が生まれ、それが誰かを経由して不動産会社に届きます。
つまり、元付けを増やすとは、この「困りごとが生まれる場所」に近い人たちから、最初に名前を思い出してもらえる状態を作ることです。広告だけに頼るより、地域の中で相談の経路を増やすほうが、長く続く元付けにつながります。
- 地域の同業者:自社で扱いきれない案件や、得意でない種別の依頼を回してくれる
- 管理会社・オーナー:退去や売却の意向を最初に知る立場にいる
- 士業(税理士・司法書士・行政書士など):相続や資産整理の相談で不動産の話が出る
- 既存のお客様:住み替え・実家・親族・職場の同僚など、身近な相談を持ち込む
地域の同業者と「回し合える」関係を作る
同じエリアの不動産会社は競合であると同時に、案件を回し合う相手でもあります。売買が中心の会社に賃貸の相談が来たとき、管理中心の会社に売却の相談が来たとき、「あそこに頼めば安心」と思われていれば、その案件は自社に回ってきます。
- 自社の得意分野(エリア・種別・価格帯)を、同業者に一言で伝えられるようにしておく
- 自社で受けきれない案件は抱え込まず、信頼できる同業者に回す(回した実績が、回してもらう土台になる)
- 回してもらった案件は、進捗と結果を紹介元に必ず報告する
- 地域の業界団体の集まりや、不動産業者向けの交流会に継続して顔を出す
同業者との関係は、一度の名刺交換より「小さな案件を一つ一緒にやる」ことで一気に深まります。ツナガるが東京都内で定期開催している不動産交流会には、元付けを持つ会社・客付けが得意な会社・管理会社などが参加しています。開催予定は不動産交流会・イベント一覧をご覧ください。
管理会社・オーナーとの接点を増やす
賃貸の元付けを増やすうえで、管理会社とオーナーは最も近い情報源です。管理会社は退去予定や空室の悩みを、オーナーは建物の老朽化や相続の不安を、それぞれ最初に抱えています。
管理会社に対して
- 客付けで実績を作り、「決めてくれる会社」として覚えてもらう
- 募集が長引いている物件の条件を聞き、改善の提案を持ちかける
- 管理会社が扱わない種別(売買・事業用など)の相談先として名前を出してもらう
オーナーに対して
- 地域の空室状況や賃料の動きを、押しつけがましくない形で定期的に共有する
- 売却・建替え・相続といった先の話を、営業ではなく相談として聞ける関係を作る
- すぐに依頼にならなくても連絡を絶やさず、時期が来たときに思い出してもらう
オーナーとの関係は、管理会社と競合しない形で作ることが長続きのコツです。管理会社の担当者を飛ばして直接営業をかけると、地域での評判を落とします。
士業からの相談を受けられる会社になる
税理士・司法書士・行政書士・弁護士などの士業には、相続や資産整理、事業承継の相談の中で不動産の話が頻繁に出てきます。士業の先生方は「安心して紹介できる不動産会社」を常に探していますが、最初の一社になるには、紹介しても恥をかかない対応力を示す必要があります。
- 相談を受けたら、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を並べ、無理に売却へ誘導しない
- 査定や調査の結果は、士業の先生にも共有できる形にまとめる
- 法務・税務の判断には踏み込まず、先生の領域を尊重する
- 自社のお客様が法務・税務の相談を必要としたときは、先生を紹介する
士業との関係は、こちらから先に紹介することで動き出すことが多いものです。相互に紹介し合える関係になると、地域の中で安定した元付けの経路になります。
既存のお客様からの紹介を仕組みにする
過去に取引したお客様は、地域で最も信頼度の高い紹介元です。「不動産のことで困っている人がいたら、うちに声をかけてください」と伝え続け、思い出してもらえる接点を保つ必要があります。
- 取引後も、季節の挨拶や地域情報の便りで連絡を絶やさない
- 住み替え・実家・親族の不動産など、将来の相談につながる話題を自然に聞いておく
- 紹介をもらったら、紹介者に進捗と結果を報告し、感謝を形にする
- 紹介で来たお客様には、紹介者の顔を立てる対応を徹底する
紹介の受け方や謝礼の扱いは、宅地建物取引業法などの法令と自社の規程に従い、必要に応じて専門家に確認してください。
地域に向けた情報発信を続ける
地域密着の営業は、顔を合わせる活動と、名前を目にしてもらう活動の両輪です。地域の相場や空室の動き、住み替えの考え方などを、自社サイトや配布物、地域のイベントで発信し続けると、「不動産のことなら、あの会社」という認知が少しずつ積み上がります。
- 売却や賃貸募集を検討している方が知りたいこと(流れ・準備・よくある不安)を丁寧に書く
- 自社の対応事例は、お客様の許可の範囲で、個人が特定されない形で伝える
- 一度に多くを出すより、決まった頻度で続けることを優先する
まとめ
元付けを増やすには、地域の同業者・管理会社とオーナー・士業・既存のお客様という四つの経路で「まず相談される会社」になり、情報発信で名前を思い出してもらう状態を保つことが近道です。どの経路も、先にこちらから役に立つことで動き出します。
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よくある質問
- Q. 売却の依頼を増やすには、まず何から始めればよいですか?
- 過去のお客様への連絡を再開することと、地域の同業者・士業に自社の得意分野を伝えることの二つが着手しやすい起点です。広告よりも、相談が生まれる場所に近い人たちから名前を思い出してもらう経路を増やすほうが、長く続く元付けにつながります。
- Q. 管理会社と競合せずに、賃貸オーナーとの関係を作るには?
- 管理会社の担当者を飛ばして直接営業をかけないことが前提です。客付けで実績を作って管理会社に信頼されたうえで、管理会社が扱わない種別の相談先として名前を出してもらう形が、地域での評判を守りながらオーナーとつながる現実的な道です。
- Q. 士業の先生に紹介してもらうには、どんな準備が必要ですか?
- 紹介されても恥をかかない対応力を示すことです。売る・貸す・持ち続けるの選択肢を公平に示し、法務・税務の判断には踏み込まず、結果を先生にも共有する。加えて、こちらから先にお客様を紹介すると、相互紹介の関係になりやすくなります。





