不動産の業界用語集|業者間でよく使う言葉と使うときの注意点
公開日 / ツナガる編集部

不動産の業界用語とは、業者同士が連絡を早くするために使う略語や言い回しです。業者間の用語は、物件募集・案内申込・取引報酬の3場面に分けて覚えると早く身につきます。不動産会社同士の電話やメールでは、略語や業界特有の言い回しが説明なしに飛び交います。意味を取り違えると、確認の手戻りや条件の行き違いにつながります。この記事では、業者間でよく使う言葉を場面ごとに短く定義し、使うときの注意点を添えます。報酬や法令にかかわる語は、意味の紹介にとどめています。
不動産の業界用語は場面で覚える
用語を五十音順に暗記しても、実務の会話ではなかなか出てきません。業者間のやり取りは、物件を募集する、お客様を案内して申し込む、契約して報酬を受け取る、という順に進みます。その場面ごとに使う言葉をまとめておくと、会話の流れの中で意味を思い出せます。
同じ言葉でも、会社や地域、賃貸と売買で使い方が少しずつ違う場合があります。初めて聞く使い方に出会ったら、その場で相手に意味を確かめるほうが安全です。知ったふりは手戻りのもとです。
物件・募集の場面で使う用語
- 元付け(もとづけ):貸主・売主から依頼を受けて物件を募集する側の会社
- 客付け(きゃくづけ):借り手・買い手を見つけて案内する側の会社
- 物元(ぶつもと):売買で、売主から媒介の依頼を受けている会社
- 募集図面:間取り・条件・連絡先をまとめた業者向けの物件資料
- 専任・一般:売主と結ぶ媒介契約の種類。専任には専属専任と専任の2種類がある
- 現況:引き渡し時点の物件の状態。残置物や設備の扱いとあわせて確認する言葉
募集図面は会社によって呼び方が違い、販売図面や物件資料とも呼ばれます。媒介契約の種類によって、他社への情報公開や売主への報告の義務が変わります。細かな要件は法令で定められているため、最新の規定を確認してください。現況は口頭で済ませやすい言葉なので、引き渡しの条件として書面に残しておくと後の食い違いを防げます。
案内・申込の場面で使う用語
- 物確(ぶっかく):物件確認の略。空室や販売状況、条件を元付けに確かめること
- 内見(ないけん):お客様と物件の中を見ること。内覧とも呼ぶ
- 現地待ち合わせ:店舗を経由せず、物件の前でお客様と落ち合う案内の形
- 申込(もうしこみ):賃貸で、借りる意思を申込書で元付けに伝えること
- 買付(かいつけ):売買で、購入の意思と条件を書面で売主側に示すこと
- 番手(ばんて):申込や買付が複数入ったときの順番
番手は、元付けや貸主・売主の方針で扱いが変わります。一番手でも審査や条件の調整で順番が動く場合があります。申込を入れたら、何番手か、いつ結果が出るかを元付けに確かめておくと、お客様への説明がぶれません。
物件確認や案内依頼の具体的なマナーは「業者間流通の基本|物件確認・案内依頼・申込連絡のマナーとNG行動」で解説しています。
取引・報酬の場面で使う用語
- 両手(りょうて):一社が売主側と買主側の両方の媒介を担う取引
- 片手(かたて):売主側か買主側の一方だけの媒介を担う取引
- 分かれ(わかれ):元付けと客付けが別の会社で、それぞれが自分の依頼主から報酬を受ける形
- AD(エーディー):賃貸で、貸主側から支払われる広告料を指す業界の呼び方
- 決済(けっさい):売買で、残代金の支払いと引き渡しを同じ日に行うこと
報酬にかかわる語は意味だけを共有する
両手や分かれ、ADといった言葉は、報酬の受け方を表します。報酬の上限や広告料の扱いは宅地建物取引業法と告示で定められており、慣習の呼び名と法令上の扱いが一致しない場合もあります。取引ごとの扱いは、最新の告示と自社規程を確認し、迷う場合は専門家に相談してください。
用語を使うときの注意点
業界用語は、業者同士では話を早くします。一方で、お客様や周辺業種の方には伝わりません。相手によって言葉を切り替えることも、信頼される担当者の条件です。
- お客様との会話:略語を使わず、「物件の空き状況の確認」のように言い換える
- 書面とメール:略語は誤読のもとになるため、正式な言葉で書く
- 新しい取引先:同じ言葉の意味が会社ごとに違わないか、最初に確かめる
- 報酬や契約の語:口頭の合意で済ませず、条件を書面に残す
後輩に教える立場なら、用語の意味だけでなく、その言葉がどの場面で出るかを一緒に伝えてください。場面と結びつけた言葉は、現場ですぐに使えます。
まとめ
用語は場面で覚えると定着します。物件募集・案内申込・取引報酬の3場面を意識して、今日聞いた言葉をどの場面のものか振り分けてみてください。報酬や法令にかかわる語は、呼び名に頼らず最新の規定で確かめる習慣をつけておくと安心です。
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よくある質問
- Q. 物確とはどういう意味ですか?
- 物件確認の略で、客付け会社が元付け会社に、空室や販売状況、募集条件の変更がないかを確かめることです。お客様に紹介する前や案内の直前に行います。条件が変わっていることもあるため、図面の日付が古い物件ほど物確を省かないことが手戻りを防ぎます。
- Q. 両手と片手の違いは何ですか?
- 両手は一社が売主側と買主側の両方の媒介を担う取引、片手は一方だけを担う取引です。業者間の会話では報酬の受け方を表す言葉として使われます。報酬の上限や扱いは法令と告示で定められているため、取引ごとに最新の規定と自社規程を確認してください。
- Q. 業界用語はお客様との会話でも使ってよいですか?
- 避けたほうが安心です。略語や業界の言い回しは、お客様には意味が伝わらず、説明を省いたと受け取られる場合があります。「物件の空き状況を確認します」のように言い換えると、手続きの流れが伝わり、お客様も判断しやすくなります。





