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業者間連携

不動産の業者間取引とは|一般の取引と違う点と確認を怠れない点

公開日 / ツナガる編集部

静かな会議室で閉じたファイルを前に握手を交わす二人のビジネスパーソン

業者間取引とは、宅建業者同士が売主と買主になる不動産取引のことで、一般の取引と扱いが異なる点があります。宅地建物取引業法には、宅建業者が自ら売主になる場合の制限が定められていますが、買主も宅建業者であれば、その一部が適用されません。一方で、業者同士でも変わらない義務もあります。この記事では、違いが出る論点と変わらない論点を条文の範囲で整理し、契約前に確かめておきたい項目を並べます。個別の取引での適用は、最新の法令と契約書、専門家の確認で判断してください。

不動産の業者間取引が指す範囲

ここでいう業者間取引は、売主と買主の両方が宅建業者である売買を指します。買取業者が仕入れた物件を別の業者へ転売する場合や、事業用地を業者同士で売買する場合が典型です。物件情報を業者間でやり取りする「業者間流通」とは別の話です。

仲介会社が間に入るかどうかは、業者間取引かどうかと直接は関係しません。売主・買主の立場に誰が立つかで判断します。担当者は、相手が宅建業者であることを免許番号で確かめるところから始めてください。

物件情報のやり取りに関するマナーは「業者間流通の基本|物件確認・案内依頼・申込連絡のマナーとNG行動」で解説しています。

一般の取引と扱いが変わる点

宅地建物取引業法の第78条第2項では、宅建業者が自ら売主となる取引に課される制限のうち、いわゆる8種制限を宅建業者相互間の取引には適用しないと定めています。買主が専門知識を持つ前提に立ち、一般のお客様を守るための規定を外しているためです。

  • 自己の所有に属しない物件の売買契約締結の制限
  • 事務所等以外の場所でした買受けの申込みの撤回等(クーリング・オフ)
  • 損害賠償額の予定等の制限
  • 手付の額の制限等
  • 担保責任についての特約の制限
  • 手付金等の保全、割賦販売の契約の解除等の制限、所有権留保等の禁止

また、重要事項説明は相手方が宅建業者の場合、書面の交付は必要ですが、宅建士による説明は不要とされています。相手が宅建業者でも、重要事項説明書への宅建士の記名は必要です。条文の番号や細かな要件は改正で変わる場合があるため、最新の法令と所管行政の案内を確認してください。

業者同士でも変わらない義務

制限が外れるのは一部です。業者間取引でも、取引の基本にかかわる義務は残ります。省略できると思い込むと、後の紛争で不利になります。

  • 重要事項説明書の交付:説明は不要でも、宅建士が記名した書面の交付は必要
  • 契約内容を記載した書面の交付:契約成立後に交付する
  • 媒介業者の報酬:仲介会社が入る場合は報酬の上限規定が適用される
  • 誇大広告の禁止や守秘義務:相手が業者でも変わらない

契約不適合責任や手付の扱いは、特約で自由に定められる範囲が広がります。その分、契約書の文言がそのまま責任の範囲になります。

契約前に確認を怠れない項目

業者間取引は、法律の保護が薄くなる分、契約書と物件調査で自分を守る取引です。担当者が契約前に確かめておきたい項目を、順番に並べます。

  1. 相手の免許:免許番号と有効期間を確かめ、宅建業者であることを確認する
  2. 物件の権利関係:登記と売主の所有状況、他人物の場合の取得見込みを確かめる
  3. 契約不適合責任の特約:免責か、期間と範囲を限定するかを文言で確認する
  4. 手付と違約金:金額と解除の条件を、双方の資金計画と照らして確認する
  5. 物件調査の分担:境界・越境・埋設物などを、誰がどこまで調べるか決める

転売を前提に仕入れる場合は、次の買主が一般のお客様になることも想定します。その時点では自社が売主として制限を受けるため、仕入れ段階の調査がそのまま再販時の説明の質になります。

業者間取引で起きやすい行き違い

業者同士は話が早い反面、互いに「相手も分かっているはず」と確認を省きやすくなります。行き違いは、口頭で合意したつもりの条件で起きます。

  • 現況の認識:残置物や設備の扱いを口頭で済ませ、引き渡し時に食い違う
  • 責任の範囲:免責の特約を入れたつもりで、文言が限定的だった
  • 決済の日程:相手の資金調達の見通しを確かめず、期日が延びる

防ぐ方法は単純です。合意した条件は、その日のうちに書面かメールで残す。特約の文言は、取引に慣れた専門家に一度見てもらう。この二つを続けるだけで、行き違いは起きにくくなります。社内でも、業者間取引の契約書のひな形と確認項目を共有しておくと、担当者ごとの差が出にくくなります。

まとめ

業者間取引は、制限が外れる分だけ契約書の重みが増す取引です。相手の免許、権利関係、特約の文言、手付と違約金、調査の分担を契約前に確かめておけば、話の早さを生かしながら紛争を避けられます。個別の判断は、最新の法令と専門家の確認で行ってください。

同業者と知り合う場として、ツナガるが東京都内で定期開催している不動産交流会の予定を不動産交流会・イベント一覧からご確認ください。

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よくある質問

Q. 業者間取引ではクーリング・オフは使えますか?
宅地建物取引業法の第78条第2項により、クーリング・オフの規定は宅建業者相互間の取引には適用されません。買主が宅建業者である売買では、申込みの撤回は契約書の定めによることになります。条文は改正される場合があるため、最新の法令を確認してください。
Q. 業者間取引でも重要事項説明は必要ですか?
相手方が宅建業者の場合、重要事項説明書の交付は必要ですが、宅建士による説明は不要とされています。書面そのものを省略できるわけではなく、宅建士の記名も必要です。電磁的方法での提供の可否も含め、最新の法令と所管行政の案内を確認したうえで進めてください。
Q. 業者間取引で契約不適合責任を免責にできますか?
買主が宅建業者であれば、宅建業法の担保責任の特約制限は適用されないため、当事者の合意で免責や範囲の限定を定める余地があります。ただし民法や他の法令の制約は残るため、特約の文言は個別に専門家へ確認したうえで決めてください。